DTM
Round 1 Hockenheim

DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)が開幕。
ティモ・グロック「人生のなかで最もしびれるレースだった」。

進化を続けるBMW M4 DTM。マシンの姿は、より精悍に。

2017年に続き、2018年のDTMにおいても、マシンのエアロ・パッケージにおける制限をはじめとした種々の規則変更が施された。新しいレギュレーション下において、マシンのダウン・フォース発生量は前年型マシンの3分の2程度に抑えられる。これによりトップ・スピードは向上するが、一方でマシンの制御はシビアとなることで、よりスリリングなバトルの展開が期待される。
冬の間、BMW MotorsportのスタッフたちはBMW M4 DTMを磨きあげることに専心していた。新レギュレーションのもとでいかに効率を最大化するか。そしてその上で、いかに美しくマシンを仕上げるか。トライ・アンド・エラーを繰り返しながら生み出されたニュー・マシンは、同じM4でありながら、以前にも増して精悍な表情を湛えていた。

6人の精鋭。狙うは、頂点ただひとつ。

2018年、BMW MotorsportはDTMをともに戦うメンバーとして、チームにふたりのルーキーを迎え入れた。19歳の新鋭ジョエル・エリクソン、そして経験豊富な28歳のフィリップ・エング。彼らがいかにDTMに適応し、速さを見せるかも見どころのひとつだ。もちろん、参戦14年目のシーズンを迎えるブルーノ・スペングラーや2度のDTMチャンピオンに輝いたマルコ・ウィットマンをはじめ、アウグスト・ファルフス、ティモ・グロックといった名手たちの果敢な走りにも期待したい。
今シーズンも、BMW MotorsportはDTMの頂点を目指し、チーム一丸となり突き進んでゆく。

レース1

華々しい幕開け。ニュー・マシンに、確かな手応え。

晴れわたる空の下、ホッケンハイムの森に轟く、甲高きDTMマシンの咆哮。5月5日(土・祝)、今シーズン最初の公式予選がいよいよ始まった。
タイム・アタックに入ると、この日のフリー走行で1分32秒434のトップ・タイムを記録したティモ・グロックが、早々に2番手のタイムを叩き出す。そのグロックのタイムを、セッション終盤にマルコ・ウィットマンが上回りBMW勢は予選2・3番手に付けた。ルーキーではジョエル・エリクソンが10番手とトップ10内に入り、フィリップ・エングは15番手で初の予選を終えた。6番手にアウグスト・ファルフス、8番手にブルーノ・スペングラーと、10位以内に6台中5台が入る活躍を見せたBMW M4 DTM。決勝レースに向けて、期待の高まる予選結果となった。

ベストではないが、ベター・レース。開幕戦で表彰台を獲得。

公式予選終了の約2時間後、レース1は決勝のスタートを迎えた。決勝は55分間のタイム・レース。スタートは大きな混乱もなく、レースは淡々と進んでゆく。各車ポジションをキープしながら周回を重ねるが、2番手スタートのウィットマンと6番手スタートのファルフスはじりじりと後退してしまう。一方、グロックはクレバーな走りで3位を堅持。そのままフィニッシュし、6年目となるシーズンの開幕を表彰台で飾った。スペングラーも6位に入賞しポイントを獲得。ウィットマンは結局11位でレースを終えた。

ルドルフ・ディットリッヒ(BMW Motorsport)
「ファンにとって、素晴らしいシーズンの幕開けとなりました。シーズン最初のレースを表彰台の上で終えたティモ・グロックに心からの賛辞を贈ります。また、我がチームのルーキー、ジョエル・エリクソンとフィリップ・エングの走りにも大いに満足しています。ジョエルはレースの大半を得点圏内で走行していましたが、ギリギリのところで惜しくも逃し、12位という結果になりました。全体としてみれば、今シーズンは良いスタートが切れたと思います。」

ステファン・ラインホルト(BMW Team RMG チーム代表)
「最初のレースとしては、まずまずといったところです。今年はルーキーがいましたし、マシンにも前年からかなりの変更が加えられました。チームはとても良いスタートを切りましたが、一方でどのマシンも予選での順位を維持できなかったという点もありました。その問題を解決しなければなりません。」

ティモ・グロック(No.16 DEUTSCHE POST BMW M4 DTM)
「最高のマシンを与えてくれた僕のメカニックとエンジニアたちに、深く感謝するよ。やや早めにタイヤ交換をするという作戦も、前を走るマシンにプレッシャーをかけることができ、実にうまくいったね。今日は1日中、ずっと幸せな気分だったよ!」

レース1 決勝結果

3.ティモ・グロック(ドイツ)No.16 / BMW Team RMR
6.ブルーノ・スペングラー(カナダ)No.7 / BMW Team RBM
11.マルコ・ウィットマン(ドイツ)No.11 / BMW Team RMG
12.ジョエル・エリクソン(スウェーデン)No.47 / BMW Team RBM
15.アウグスト・ファルフス(ブラジル)No.15 / BMW Team RMG
16.フィリップ・エング(オーストリア)No.25 / BMW Team RMR

レース2

最後の1周に賭けたティモ・グロック、鮮やかな奪首劇。

5月6日(日)。この日も快晴、絶好のレース日和となった。20分間の予選が始まると、それぞれのマシンがタイミングを見計らいコースへと出て行く。まずタイムを出したのはウィットマン。前日の雪辱を晴らすべく、気迫のこもった走りで2番手につける。その後、残り時間が3分になると各車のアタックは激化し、残り30秒を切ったところでエリクソンが2番手タイムを更新。さらにラスト・アタックで、それまで13番手に甘んじていたグロックが一躍トップ・タイムを記録。他車はこのタイムを更新できず、見事にポール・ポジションを獲得した。わずか2戦目ながら驚異的な好走を披露したエリクソンは3番手。8番手にウィットマン、13番手にファルフス、14番手にスペングラーと続き、エングは19台中の18番手に終わった。

AMAZING TIMO!! 好敵手と戦いぬいた末の完勝。

ドライ・コンディションに恵まれた決勝。スタートではメルセデスとアウディが1台ずつグリッドに立ち往生するハプニングがあったが、クラッシュなどの大きな混乱はなく、グロックもポール・ポジションからスタートを決めトップをキープする。レース1とは一転し、レース2はコース上で抜きつ抜かれつの激しいバトルが随所で繰り広げられる展開となった。そのような展開のなかでも、グロックはトップを快走。常に2位のマシンとマージンを取りながらレースをコントロールしてゆく。ピット・ストップで一旦は順位を下げるも、22周目にはトップへと復帰した。
しかし、トップへと返り咲いたグロックを捉えたのが、10番グリッドからじわじわと追いあげてきた前日の覇者、ゲイリー・パフェット(No.2 Mercedes-AMG Motorsport PETRONAS)。ここから、DTM史上でも稀に見る、1周ごとに順位を入れ替えるほどの激しい攻防が繰り広げられた。サイド・バイ・サイドのままコーナーを駆けぬけ、時には接触しながらもクリーンなバトルは5周にわたり継続。しかし最後はグロックがパフェットを突き放しフィニッシュ。記憶に残る、劇的なポール・トゥ・ウィンを達成した。
エリクソンは決勝でも好走し4位を獲得、初のポイントを手にした。後方から着実に順位を上げたスペングラーが8位、ファルフスが10位にそれぞれ入賞。レース後に健闘を称え合うグロックとパフェットの姿が印象的な、観衆にも爽やかな余韻を残す締めくくりとなった。

ティモ・グロック(No.16 DEUTSCHE POST BMW M4 DTM)
「人生のなかで最もしびれるレースだったよ。まだ言葉が見つからない。僕はレースに勝ったかもしれないけど、今日の真の勝者はDTMだ。僕たちがファンに届けたいと思っている、素晴らしいモータースポーツを体現してくれたからね。ゲイリーとの一騎打ちはタフだったけど、お互いにとてもフェアなバトルだった。我々にとって、これ以上ないファンタスティックなレース・ウィークとなったよ。」

ジョエル・エリクソン(No.47 BMW M4 DTM)
「僕にとって初めてのDTMウィーク・エンドは、歓ぶべきものだったと思う。今日のファースト・スティントは少し苦労したけど、その後は調子を取り戻せたからね。タイヤの調子もとても良かったし、わずかだけどバトルも愉しむことができた。4位でのフィニッシュは、悪くない結果だと思うよ。」

イェンス・マルクヮルト(BMW Motorsport ディレクター)
「今日我々は、偉大なアスリートたちによる激しくもフェアな戦いを目撃しました。あれこそまさしく、モータースポーツのあるべき姿です。ティモの非凡な走りを大いに讃えたいと思います。BMW M4 DTMから4台がトップ10入りを果たしたことは、私たちにとって最高の結果です。この週末は、万事がうまくいきました。」

レース2 決勝結果

1.ティモ・グロック(ドイツ)No.16 / BMW Team RMR
4.ジョエル・エリクソン(スウェーデン)No.47 / BMW Team RBM
8.ブルーノ・スペングラー(カナダ)No.7 / BMW Team RBM
10.アウグスト・ファルフス(ブラジル)No.15 / BMW Team RMG
11.マルコ・ウィットマン(ドイツ)No.11 / BMW Team RMG
14.フィリップ・エング(オーストリア)No.25 / BMW Team RMR

シーズン・スタートに価値ある勝利。いざ、次なる舞台へ。

ホッケンハイムの地で、シーズンの初めから大きな成果を勝ち得たBMW Motorsport。ティモ・グロックはDTMドライバーズ・ランキングをリード。ルーキーのジョエル・エリクソンもポディウムに迫る走りを見せるなど、チームにとって幸先の良いスタートとなった。次戦は2週間後の5月19日(土)・20日(日)ドイツ東部、ブランデンブルク州に位置するラウジッツリンクで行われる。