SUPER GT
GT300 Class
Round 3 SUZUKA GT 300km RACE

SUPER GT第3戦、鈴鹿300km。
ARTA BMW M6 GT3、苦戦を強いられながらのフィニッシュ。

栄光のあとに訪れた逆境。跳ね返すため、チームは一丸となる。

見事ポール・トゥ・ウィンを飾った富士スピードウェイでの第2戦から半月。第3戦鈴鹿は、ARTA BMW M6 GT3にとっては鬼門とも言えるサーキットだ。マシンとのマッチングが良くなく、さらにレースごとに設定されるBoP(Balance of Power:マシン間の性能格差調整)も例年不利な条件となっていて、過去最高位は2016年の12位にとどまる。加えて、昨年までシリーズ内の1戦として開催されていた1,000kmのレースが、2018年からは国際格式のレースとしてリニューアルされ「SUZUKA 10 HOURS」となったことでSUPER GTのカレンダーから独立。シリーズ内で新たに設けられた鈴鹿ラウンドはレース距離が3分の1以下となる300kmとなり、よりスプリント色が濃厚になったことも、鈴鹿を苦手とするマシンにとってはあまり良くないニュースと言えた。そして、第2戦富士で完全勝利を収めたことで、このラウンドで課されるハンディ・ウェイトはGT300クラス中最も重い52kg。数々の困難が重なりながらも、チームは前を向き、レースへの準備を進めた。

全力でアタックを重ねるも、タイム・オーバー。予選を20番手で終える。

5月19日(土)。天気は晴れ、コースはドライ・コンディション。午前中の公式練習ではタイヤ・チョイスとマシンのパフォーマンス向上のためのセットを進めるも、タイムはクラス全体での17番手。Q1突破に向けてはさらにセットを詰める必要があるように思われた。
午後、Q1。ステアリングを握るのは高木真一選手。15分間のセッションだが、チームはマシンをピットでウェイティングさせ、機をうかがう。そしてセッションが残り5分を切ったところでアタックを開始。高木選手は予選終了後に「寿命が5年縮んだ」と自身で振り返るほどギリギリの走りを見せる。しかし残り1分となったところで、他のマシンがコース・アウトし予選は中断。チームはマシンをピットへと戻した。再開後のセッションは5分延長され、6分間に。ここまでQ1突破ラインを上回れていないARTA BMW M6 GT3は真っ先にコース・インしてゆく。高木選手は、高速コーナーでは飛び出してもおかしくないほどのスピードでマシンをねじ伏せながら駆けぬけていき、午前のタイムを大幅に削る1分58秒393をマーク。しかし他車もタイム・アップを果たしたため、結果は20番手。悔しくも、Q2への道は断たれることとなった。

ショーン・ウォーキンショー選手コメント:
「予選は走れなかったけど、タイヤのマッチングは良さそうなので、決勝ではなんとかポイントを獲得できるように走りたいです。」

高木真一選手コメント:
「ベストを尽くしました。コーナリング・スピードはJAF-GT勢に対抗できるほどパフォーマンスが上がってきていると感じています。タイムも悪くありませんでしたが、M6と鈴鹿の、相性の良くないところが出ちゃったのかな? と思いました。決勝の見通しは悪くないと思っているので、明日に向けてしっかりと準備したいです。」

安藤博之エンジニアコメント:
「毎年ここでは苦戦していますが、富士で見つけた高速コーナーでのセットが良い方向に出ると思っていました。しかし他車の伸びしろも大きかったのか、アドバンテージを築くまでにはいきませんでした。昨年よりも確実に進化はしているのですが…。レースのセットは悪くなさそうなので、明日はポイント獲得を目指したいです。」

ノー・トラブルも、我慢のレース。20位でフィニッシュ。

迎えた決勝日、5月20日(日)も前日と変わらぬ快晴。計時システムのトラブルによりスタートが40分近く遅れるハプニングもあったが、逆にこの時間を利用し、2人のドライバーはレースに向けてのコンセントレーションを高めていった。
スタートを務めるのはショーン・ウォーキンショー選手。パレード・ラップ、フォーメーション・ラップ後のスタートも慎重に決め、2周目までにはひとつポジション・アップ。後方からのスタートではあるがペースもよく、11周目までにもうひとつポジションをアップした。12周目、GT500クラスのマシンがコース・アウトしたためセーフティーカーが入ると、同じタイミングで前方を走るGT300クラスのマシンもトラブルでストップしたことにより、ARTA BMW M6 GT3は順位をさらにひとつ上げた。
再スタートのタイミングで他車は続々とルーティンのピット作業をこなしていくが、チームはマシンをコース上にステイ。他車とピット・タイミングをずらす作戦に出た。この間、ショーン選手は一時的に11位まで浮上。19周目にピットへと戻り、セカンド・スティントを高木選手に託した。
ARTA BMW M6 GT3は23位でコースに復帰。高木選手はGT500クラスのマシンとのトラフィックのなかで、1周ごとに順位を入れ替えるバトルを繰り広げるもポジションを上げられずにいた。その後、レース終盤に差し掛かると燃料が軽くなり、マシンの操縦性が向上。スタート・ポジションである20位までリカバリーした。しかしそれ以上のポジション・アップは難しく、そのままの順位でレースを終えることとなった。さまざまなマイナス要因を克服しトラブルなく完走を果たしたとはいえ、ポイント獲得には手の届かない、消化不良のレースとなってしまった。

ショーン・ウォーキンショー選手コメント:
「とてもタフなレースでした。いつものように精一杯戦いましたが、厳しかったと言わざるを得ません。相性の良いタイに向けて、頑張ります。」

高木真一選手コメント:
「タイヤ無交換作戦も考えたのですが、フロント・タイヤだけを交換することにしました。結局、バランスを取りながらマシンをコントロールするのに苦労してしまい、ポイントを目指したギャンブルが裏目に出てしまいました。他のクルマと比べてどこが劣っているのかがわかったので、次につなげていきたいです。」

土屋圭市エグゼクティブ・アドバイザーコメント:
「BoP的に難しいレースだったけど、チームとドライバーはミスなく素晴らしいレースをしてくれたね。次のタイとその次の富士で、絶対やり返すよ!」

態勢を立て直し挽回へ。チームの熱き想いは、海を渡る。

ペースは決して悪くなかったものの、2016年、2017年に続き不本意な結果となってしまった鈴鹿サーキットでのレース。チームは気持ちを切り替えて、次の戦いへと臨む。次戦はSUPER GT唯一の海外ラウンド、タイ。6月30日(土)・7月1日(日)、灼熱のチャーン・インターナショナル・サーキットで開催される。