DTM
Round 2 Lausitzring

DTM第2戦、ラウジッツリンク。
ルーキーのエングがポール・ポジションと表彰台を獲得。

記憶と記録に残る戦いから2週間。次なる戦いが幕を開ける。

開幕戦のホッケンハイムで繰り広げられた、ティモ・グロックとゲイリー・パフェットによる激しくもフェアなサイド・バイ・サイドのバトルは、現地のみならずテレビ中継やYouTubeでのライブ配信を通じて、世界中のモータースポーツ・ファンに心躍る興奮と清々しい感動をもたらした。その熱も冷めやらぬうちに、DTMは第2戦を迎える。舞台は美しき古都ドレスデンから、北に60kmほどの位置にあるラウジッツリンク。コースの一部にオーバル・トラックが組み込まれた、ヨーロッパでは珍しいサーキットだ。6人のドライバーはそれぞれの思いを胸に、シーズンの行方を占う戦いへと臨んだ。

レース1

その差、1000分の7秒。フィリップ・エング、あと一歩の2番手。

5月19日(土)。曇り空の下、20分間の予選が始まった。6台のBMW M4 DTMも、それぞれタイミングをはかりながらコースへとマシンを向ける。セッション開始から6分が過ぎるころ、フィリップ・エングが1分37秒495を記録しトップに立つ。この時点でジョエル・エリクソンも3番手のタイムを記録しており、予選序盤はルーキーたちがセッションを引っ張る形となった。このトップ・タイムは破られることなく、各マシンは一旦ピットへと下がった。
残り6分。続々とマシンがピット・アウトし、再びアタックが始まってゆく。各マシンは周回を重ねながらチャンスをうかがう。残り30秒、ホッケンハイムの勝者ティモ・グロックがトップに肉薄するタイムを叩き出すも、わずかに及ばず。その直後に、エングは自分の持つタイムをさらに0秒145削ってみせる。しかし、最後の最後でそのタイムを1000分の7秒上回ったのが、ルーカス・アウアー(No.22 SILBERPFEIL Energy Mercedes-AMG Motorsport)だった。ポール・ポジションの栄光は、エングの手から儚くもこぼれ落ちていった。
3番手にはラスト・アタックでタイム・アップを果たしたブルーノ・スペングラーが入り、ベテランの面目躍如たる結果となった。ティモ・グロックは5番手、マルコ・ウィットマンは6番手。序盤でタイムを出したエリクソンは終盤伸びず、11番手で予選を終えた。

混沌のスタートを抜け、BMW M4 DTMはダブル・ポディウムを獲得。

レース1、決勝。スタート直後、グリッド上でストールしたマシンに後方から来たマシンが激しく追突。皮肉にもアウディの同士討ちとなったこのアクシデントにより、レースは最初からセーフティカーの先導による周回となってしまう。そしてリスタートのすぐ後には、またもやアウディ同士が接触。昨シーズンのチャンピオン、レネ・ラスト(No.33 Audi Sport Team Rosberg)がコースアウトの後にマシンが1回転する大きなクラッシュを喫し、レースは赤旗中断となってしまった。
約10分間の中断を経て迎えた2回目のリスタート後は、打って変わって淡々とレースが進んでゆく。残り7分。常にトップへ食らいつき上位を走っていたフィリップ・エングが、ついに首位を奪う。しかし、好事魔多し。残り2分で再度の逆転を許してしまい、最終的には3位でレースを終えた。2位には終盤にエングをかわしたティモ・グロックが入り、BMW M4 DTMは2台がポディウムを獲得した。3番手スタートのブルーノ・スペングラーは5位。7位にマルコ・ウィットマン、10位にアウグスト・ファルフスと、BMWはトップ10に5台を送り込み、波乱のレース1を終えた。

バート・マンペイ(BMW Team RBM チーム代表)
「深刻なアクシデントが何度かありましたが、ドライバーたちはいずれも無事でした。図らずも、今日のレースで我々はDTMマシンがいかに安全かを目撃することとなりました。スリリングすぎるレースでしたが、フィリップ・エングの初めてのポディウムを心から祝福したいと思います。」

ティモ・グロック(No.16 DEUTSCHE POST BMW M4 DTM)
「アクシデントの影響でかなり短期決戦型のレースになったけど、僕らの戦略は最後まで上手くいった。もう少しアグレッシブになるべきだったかもしれないけどね。表彰台に立てたことはもちろん、フィリップが素晴らしいレースをしたことはとても嬉しい。彼はこの週末、本当に速かった。2台がポディウムに辿り着けたことは、BMWにとって大きな意味を持つ結果だと思うよ。」

フィリップ・エング(No.25 SAMSUNG BMW M4 DTM)
「わずか3レース目にしてDTMの表彰台にのぼれるなんて、最高に幸せだよ。今日はこれ以上の結果を望むのは難しかった。僕たちは本当に良いチーム・パフォーマンスを見せられたと思うよ。エンジニアたちにはとても感謝している。彼らはホッケンハイム以降、素晴らしい仕事をしてきてくれたからね。」

レース1 決勝結果

2.ティモ・グロック(ドイツ)No.16 / BMW Team RMR
3.フィリップ・エング(オーストリア)No.25 / BMW Team RMR
5.ブルーノ・スペングラー(カナダ)No.7 / BMW Team RBM
7.マルコ・ウィットマン(ドイツ)No.11 / BMW Team RMG
10.アウグスト・ファルフス(ブラジル)No.15 / BMW Team RMG
12.ジョエル・エリクソン(スウェーデン)No.47 / BMW Team RBM

レース2

28歳のオールド・ルーキー、貫禄のポール・ポジション。

前日とは一転して快晴となった5月20日(日)。この日の予選も、主役はフィリップ・エングだった。開始6分、前日からの好調を維持するエングは1分38秒150を記録し暫定トップに君臨する。他車がそのタイムを更新できぬまま、セッションは終盤へ。どのマシンも渾身のアタックを続けるが、ついにエングのタイムを破るものは現れず。前日の雪辱を晴らすにしてはなんともあっさりと、自身初となるポール・ポジションを獲得してみせた。4番手にマルコ・ウィットマン、7番手にジョエル・エリクソンが入り、決勝レースへと希望をつないだ。ティモ・グロック、ブルーノ・スペングラー、アウグスト・ファルフスの各ドライバーは10〜12番手と、やや精彩を欠く予選結果となった。

クレバーなレース。マルコ・ウィットマン、復活の2位表彰台。

路面を太陽が照りつけるなかで迎えたレース2決勝。トラブルのないスムーズなスタートから、エングは1コーナーをトップで駆けぬける。しかし3周目に2台に抜かれ3位にポジション・ダウン。前日からの勢いもここまでか、その後もじりじりと順位を落としていってしまう。
代わって上位に浮上してきたのは、ここまで不振に喘いでいた2度のチャンピオン経験者、マルコ・ウィットマン。エングと入れ替わる形で3位にポジション・アップを果たすと、先行する2台のメルセデスから離されず、食らいついてゆく。10番手スタートのティモ・グロックも5位までポジションを上げ、レースが中盤へと差し掛かる。この時点でピット・インしていたファルフスを除き、BMW勢は全車ピット・タイミングを遅らせる作戦に出た。これが功を奏してウィットマンは2位にポジションを上げると、そのままの位置を守りきりフィニッシュ。今シーズン初の表彰台を獲得した。
ピット・ストップを経て一旦は9位まで下がったグロックも、前戦ホッケンハイムから続く好走が光り最終的には5位までリカバリー。ドライバーズ・ランキングの首位を守った。ポール・スタートだったエングは7位でフィニッシュ。エリクソンも9位に入賞。開幕戦に引き続き、両レースでBMW M4 DTMが表彰台を獲得する嬉しい週末となった。

ルドルフ・ディットリッヒ(BMW Motorsport)
「予選では全車が1秒差以内での争いとなりました。これは今のDTMがいかにコンペティティブなものかを示しています。フィリップにとっては非常に良い週末となりました。彼は昨日、初のポディウムに立ち、今日は初のポール・ポジションを獲得しました。それをさらに良い結果へと変えられなかったのは残念ですが、非常に多くのことを学ぶことができたと思います。BMWにとっても、全体として良い結果を上げることができました。十分な勢いをもって、ブダペストへ入ることができます。」

マルコ・ウィットマン(No.11 BMW Driving Experience M4 DTM)
「本当に満足しているよ。僕たちのマシンには素晴らしいレース・ペースがあった。実を言うと、ピット・インのタイミングを1周遅らせたんだ。タイミングのあやで、前を走るマシンに先行できればいいと思った。実際その通りになったね。さらにそのあともトップを追い詰めようとプッシュしたけど、レースの残り周回数が十分ではなかった。とはいえ、この2位はなんだか優勝したみたいに感じるよ。」

イェンス・マルクヮルト(BMW Motorsport ディレクター)
「たった140kmを隔てて、DTMとフォーミュラEが同じ週末に開催される。これは初めての事でした。ラウジッツリンクとベルリンで行われた2つのレースは、モータースポーツに対するBMWの関わりの幅広さを端的に表しています。ベルリンでは多くのファンたちが、スリリングなBMW i Berin E-Prixを観戦しました。そしてここ、ラウジッツリンクでは人々を熱狂させる2つのレースが行われ、3人のBMWドライバーがポディウムの上に立ちました。BMW M MotorsportとBMW i Motorsportにとって、本当にいろいろな出来事に彩られた週末となりました。」

レース2 決勝結果

2.マルコ・ウィットマン(ドイツ)No.11 / BMW Team RMG
5.ティモ・グロック(ドイツ)No.16 / BMW Team RMR
7.フィリップ・エング(オーストリア)No.25 / BMW Team RMR
9.ジョエル・エリクソン(スウェーデン)No.47 / BMW Team RBM
15.ブルーノ・スペングラー(カナダ)No.7 / BMW Team RBM
16.アウグスト・ファルフス(ブラジル)No.15 / BMW Team RMG

確実な手応えを感じた第2戦。さらなる勝利を目指し、次へ。

ルーキーの台頭、4レース連続の表彰台、トゥー・タイムス・チャンピオンの復活…。さまざまなことがあったラウジッツリンクでの戦い。ドライバーズ・ランキングでも、ティモ・グロックがトップをキープしている。チームにとって、すべてがポジティブな要因であるのは間違いない。次なる戦いの地はハンガリー、ブダペスト。6月2日(土)・3日(日)に、伝統のハンガロリンク・サーキットにて開催される。この勢いのまま、さらなる勝利を積み重ねたいところだ。