SUPER GT
GT300 Class
Round 7 AUTOPOLIS GT 300km RACE

SUPER GT第7戦、オートポリス。
不運を乗り越え、作戦的中。ランキング・トップを堅持。

ライバルに、そして己に打ち克つために。九州決戦、出だしは上々。

貴重なポイントを獲得した東北での戦いを終え、シリーズは一転、西へ。唯一の九州開催となるオートポリスへと、ARTAの面々は降り立った。阿蘇の外輪山に位置するこのサーキットも、前戦同様アップ・ダウンが激しいテクニカルなレイアウト。しかし、このラウンドではハンディ・ウェイトが半減され、前戦の100kgからポイント数と同じ52kgへと軽減されることとなった。ただし、この措置はどのチームにも同じく適用される。依然として、ARTA BMW M6 GT3が背負うハンディ・ウェイトが、GT300クラスのマシンのなかで最も重いことには変わりない。10月20日(土)朝9時から行われた公式練習。ARTA BMW M6 GT3はそのハンディをはねのけるかのように、クラス5番手のタイムを記録。チームは確かな感触を得ながらも、午後の予選に向けてセットを詰めるその手を、緩めることはなかった。

計測直前にまさかの赤旗。渾身のアタックは幻に終わる。

第6戦終了時点でチャンピオンの可能性が高いとされるトップから20ポイント差までの間に、GT300クラスは未だ8台が含まれる混沌とした状況。当然、ARTA BMW M6 GT3がその最右翼であることに疑いはないが、油断はできない。チャンピオンへの道をより確かなものとするため、Q2へと進出し上位グリッドを狙いたいところだ。
午後になり太陽が顔を覗かせ、タイム・アタックには絶好の天気となった。気温は15度、路面温度は34度。午後2時30分、Q1がスタートした。ステアリングを握るのはショーン・ウォーキンショー選手。ショーン選手はピットで少しウェイティングした後にコースへ。周回を重ねタイヤを十分にウォーム・アップさせてから、セッションが残り6分半を切る頃にアタックへと入った。セクター1はトップのマシンと互角、セクター2もトップから0秒415落ちのタイムで来ている。好タイムが期待され、ショーン選手が最終コーナーに差し掛かろうとしていたその時。別の場所でスピンを喫した一台のマシンが、コースをふさぐ形でストップ。ARTA BMW M6 GT3がホーム・ストレートのレコード・ラインを通過する直前に赤旗が掲示されてしまったため、そのアタック・タイムは記録として計測されず。ショーン選手はコックピットで首を横に振り、ピットで見守る高木真一選手は思わず天を仰いだ。セッションは4分ほどの中断後に再開するも、既にタイヤの“おいしいところ”を使い切ってしまっていたARTA BMW M6 GT3にもはや勝負権はなかった。最終的には22番手でQ2進出ならず。不確定要素の多いオートポリスで、翌日の決勝は後方からの戦いを強いられる結果となった。

ショーン・ウォーキンショー選手コメント:
「アンラッキーでした。その一言に尽きます。明日はとてもハードなレースになると思いますが、マシンのセットを見直し、ポイント獲得を目指して準備していきたいです。」

高木真一選手コメント:
「レッド・フラッグによる中断でタイヤが終わってしまいました。ちょっとタイミングが悪かったかな、と思います。明日は追い上げるしかないので、チームのみんなとしっかりミーティングをして、上位でフィニッシュできるようにしたいです。」

土屋圭市エグゼクティブ・アドバイザーコメント:
「レッド・フラッグが出てしまい、運が悪かった。ショーンをピットでウェイティングさせたのは失敗だったかな。早めにコースへと送り出して、タイムを出させておくべきだったね。明日はポイントを獲得できるよう、今から戦略を練って準備するよ。」

速さだけでなく、強さも手に入れた一戦。チャンピオンに向け、死角はない。

決勝日の10月21日(日)も引き続き晴れ渡り、爽快なコンディション。前日の予選結果を受け、チームはスタートのステアリングを高木選手に託す。タイヤを労わりながらできるだけ長く前半スティントを引き延ばし、後半でスパートをかける作戦を組み立てていた。パレード・ラップとフォーメーション・ラップを経て、シグナル、オール・グリーン。65周の決勝が始まった。高木選手はスタート・ダッシュを決め3つポジションを上げると、その後も良いペースをキープ。14周目までにさらに4つポジションを上げ、15位へとジャンプ・アップ。公式練習での走りがまぐれではないことを周囲に見せつける。レースが3分の1を終えようとする頃、スピンした車両の処理のためSC(セーフティカー)が導入。これにより、ARTA BMW M6 GT3は前方との差をさらに縮めることとなった。リスタート後は、早めの作業を選択したチームのピット・インもあり、35周目には3位までその順位を上げていた。
40周目、ルーティンのピットへ。高木選手はロング・スティントを会心のドライブで終えた。ドライバーをショーン選手に乗り換え、コースへと出て行く。そのアウト・ラップ。暖まりきらないタイヤのショーン選手は、後続から迫るマシンとの駆け引きの最中に接触してしまう。相手がスピンしてしまったためペナルティの可能性も危惧されたが、止むを得ないレーシング・アクシデントと判定され事なきを得た。その後、ショーン選手は自分のペースを取り戻しペース・アップ。52周目には6番手までポジションを回復。さらに最後の2周で、タイヤが苦しい前の2台を相次いで攻略。22番手という予選の順位からは想像できない、表彰台まであと一歩の4位という成績でチェッカーを受けた。

ショーン・ウォーキンショー選手コメント:
「22番手から4位を得られた素晴らしいレースでした。ピットから出た最初のラップで他車と接触してしまいバイブレーションが出てしまいましたが、その後は問題なくペースを上げて走ることができました。」

高木真一選手コメント:
「このM6は、去年から全体的なマシン・バランスは良かったのですが、気温差のあるコンディションでのバランスが全然わからなかったので、去年のオートポリスと似たようなセットにしてトライしました。信じて走ったタイヤが見事なパフォーマンスを発揮してくれ、さらに僕のスティントを長めに取った結果、クリア・ラップも10周ぐらい取れたので、作戦も見事にハマりました。ショーンもミスなく速いペースで走りきってくれました。最終戦は気を引き締めて戦っていきたいですね。」

安藤博之エンジニアコメント:
「今日は戦略が重要だと思い、高木選手でペースを作ってもらい、その後にショーン選手で走り切るという作戦を立てました。ウォーム・アップ走行でセットを見直し、スタート直前まで調整を重ねた結果、ユーズド・タイヤでも他車のニュー・タイヤと同じくらいのペースで走ることができました。ポイントを獲ることができ、ホッとしています。」

12ポイントのアドバンテージで最終戦へ。いまこそ、心をひとつに。

今回の戦いを終え、ARTA BMW M6 GT3の2人は、60ポイントでドライバー・ランキングのトップを守っている。2位とは12ポイント差。有利な位置に立っているとはいえ、その差は決して圧倒的なものではない。最終戦はウェイト・ハンディなし。マシンの真価とチームの総合力が問われるレースとなる。舞台は栃木県のツインリンクもてぎ。昨年は2位表彰台を獲得している相性の良いサーキットだ。11月10日(土)・11日(日)、今シーズン最後の決戦が、幕を開ける。